株価が割安かどうかをPERだけで判断していませんか?
本記事では“理論株価”を期待利回りから算出し、今の株価が高いのか安いのかを定量的に判断する方法を解説します。
本記事では、M&Aコンサルタントが企業買収の際に用いる手法をベースに、個人投資家が今日から実践できる様にアレンジした「簡易版 理論株価の算出方法」を徹底解説します 。
理論株価についての動画はコチラ
1. 理論株価の正体:企業価値とは何か?
株価とは本来、その企業が持つ「稼ぐ力」と「持っている財産」の合計を反映したものであるべきです。当ラボでは、以下の数式を理論株価の定義としています 。
企業価値 = 事業価値(稼ぐ力) + 財産価値(持っている財産) - 負債
理論株価 = 企業価値 ÷ 発行済み株式数
このシンプルな式に、有価証券報告書のデータを流し込むことで、市場の感情に左右されない「投資の基準点」を導き出します 。
2. 理論株価を導き出す4つのステップ・計算方法
実際に「グリムス(証券コード:3150)」を例に、具体的な計算手順を見ていきましょう 。
STEP 1:事業価値(稼ぐ力)を見積もる
企業の主業から得られる利益を評価します。
- 計算式: 事業価値 = 営業利益 × 10
- ロジック: 営業利益から税金を控除(40%と仮定)し、投資家の期待利回り(6%)で割り戻すと、概ね営業利益の10倍となります。
- 例: グリムスの直近の営業利益は 6,500百万円なので、事業価値は約65,000百万円になります。
なぜ期待利回りで割りなおすのか?については以下の記事にて解説しておりますので参考にしてください。
STEP 2:財産価値(持っている財産)を見積もる
事業を継続するために直接必要のない、企業内部に蓄積された資産を評価します。
- 計算式: 財産価値 = 流動資産 -(流動負債 × 1.2) + 投資その他の資産
- ロジック: 1年以内に現金化できる資産から、直近の支払予定額(+余裕分20%)を引き、さらに長期投資目的の資産を加算します 。
- 例: グリムスの場合、約15,951百万円となります 。
STEP 3:負債を差し引き「株主価値」を出す
企業全体の価値から、返済が必要な「固定負債」を引いて、株主のものとなる価値を特定します。
- 計算式: (事業価値 + 財産価値) - 固定負債
- 例: (65,000 + 15,951) - 固定負債 2,676 = 78,275百万円
STEP 4:発行済み株式数で割る
最後に、導き出した価値を1株あたりに換算します。
- 例: 78,275百万円 ÷ 23,814,800株 = 約3,287円
これが、分析時点におけるグリムスの理論株価(一株あたりの本質価値)です 。
3. 分析結果をどう投資に活かすか?割安の判断とは?
理論株価を算出して終わりではありません。ここからが「AI財務分析」の本領発揮です。当ラボが推奨する「利回り15%投資法」では、この理論株価と現在の市場価格を比較します 。
- 安全域の確認: 現在の株価が理論株価よりも「圧倒的に安い」か?
- 将来予測の統合: 現在の営業利益ではなく「5年後の予測営業利益」から理論株価を算出し、その半値(50%)以下で買うことができれば、年利15%(5年で2倍)の達成確率が飛躍的に高まります 。
『利回り15%』を推奨する理由は、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ:規律ある投資は「基準」から始まる
チャートの動きに一喜一憂する投資から卒業するには、自らの手で「価値の基準」を持つことが不可欠です 。
最初は有価証券報告書を読むのに時間がかかるかもしれませんが、慣れてしまえばExcelやPythonで自動計算も可能です 。当ラボでは、この分析プロセスをさらに加速させるためのAIツールやデータ活用術を継続的に発信していきます。
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