【2026年2月7日:マクロ経済・コモディティ週刊総括レポート】

マクロ分析

1. 主要トピックス(2026年1月30日~2月7日)

■ FRB次期議長の正式指名

  • 事実: 1月30日、ドナルド・トランプ大統領は、2026年5月に任期満了を迎えるジェローム・パウエル議長の後任として、ケビン・ウォーシュ元FRB理事を正式に指名しました。
  • 市場の反応: 指名直後の米国債利回りは上昇し、ドル指数は一時2週間ぶりの高値を記録。貴金属市場では投機ポジションの解消が加速しました。

■ 政府機関閉鎖と経済指標の公表延期

  • 事実: 米政府機関の一部閉鎖(シャットダウン)の影響を受け、米労働統計局(BLS)は2月4日、主要指標の公表延期を正式発表しました。
    • 雇用統計(1月分): 2月6日予定 → 2月11日(水)へ延期
    • 消費者物価指数(CPI): 2月11日予定 → 2月13日(金)へ延期
  • 現状: 現在、市場は公式な雇用情勢の「確定データ」を欠いた状態にあります。

■ 公表済みの労働市場データ(実績値)

  • ADP民間雇用者数(2月4日発表): 2.2万人増(市場予想4.8万人増を大幅に下回る)。
  • 新規失業保険申請件数(2月5日発表): 23.1万件(前週比増)。
  • 求人件数(12月分/2月5日発表): 労働需要の減速を示す数値が確認されています。

■ 貴金属価格の確定推移

  • ゴールド: 1月下旬の最高値から急落した後、2月6日時点で4,950ドル台まで反発(週平均ではボラティリティが極めて高い状態)。
  • シルバー: 1月29日に記録した121ドルから急落。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)による証拠金引き上げが引き金となり、2月6日時点では78ドル付近で推移。

2. 著名投資家の公式見解(2026年2月公表分)

■ レイ・ダリオ氏(2月3日 CNBCインタビュー等)

  • 見解: 貴金属を「資本戦争に対する有効なヘッジ」と再定義。
  • 内容: 最近の急落を「過度なレバレッジの解消(デレバレッジ)」と指摘し、長期的な価値保存手段としてのゴールド・シルバーの有用性を改めて主張。足元の反発を「回復の兆し」と評価しています。

■ スタンレー・ドッケンミラー氏(2月上旬 公言)

  • 見解: ウォーシュ氏の指名を「柔軟な政策運営への期待」として支持。
  • 内容: ウォーシュ氏を「単なるタカ派」と決めつける市場の見方を否定。バランスシート縮小(QT)と、状況に応じた利下げを組み合わせる同氏の手法(通称:ドラッコノミクス)に肯定的な姿勢を示しています。

3. 『結局、今から買っていいの?』

~確定した需給バランスと価格帯から見る判断基準~

「この暴落を経て、今が買い時なのか?」という疑問に対し、確定している事実から判断基準を整理します。

  • 銀(シルバー)の物理的需給: 1月29日の121ドルから70ドル台への下落により、投機的なプレミアムが一部剥落しました。一方で、AIインフラおよび太陽光パネル向けの実需データには衰えが見られません。「投機が去り、実需が残った価格帯」を現在の70ドル後半と見るかどうかがポイントです。
  • ドルの信認と金価格: ウォーシュ氏の指名により「ドルの規律」への期待が高まりましたが、同時に政府閉鎖という「財政の混乱」も事実として存在します。金価格が4,900ドル台を維持している事実は、ドルの強さと財政リスクの双方が市場に織り込まれていることを示しています。
  • 結論: 11日の雇用統計、13日のCPIという「確定データ」が出るまで、市場の不確実性は解消されません。プロの投資家が好む「不確実性が高い時期はキャッシュ比率を維持し、確定データを確認してから動く」という定石が、今週は特に有効な局面にあります。

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