KeePer技研が発表した新中期経営計画(2026〜31年6月期)は、2031年に売上高470億円、営業利益161億円を目指すという、現在の約2倍の規模を見据えたものです 。
前中計の未達を糧に、禁じ手とも言える「LABOのFC展開」を解禁し、さらにはスマホや住宅などの「車以外」の市場へ本格進出する意向を示しました 。この記事では、この野心的な計画の実現性と、投資家が手放しで喜べる「配当方針の変更」について詳しくお伝えします。
概要(2025年6月期実績と2031年計画)
今回の発表のベースとなる2025年6月期の実績と、2031年6月期の目標値は以下の通りです。
| 項目 | 2025/6期 実績 | 2031/6期 計画 | 成長率 (CAGR) |
| 売上高 | 23,092百万円 | 46,922百万円 | 12.5% |
| 営業利益 | 7,098百万円 | 16,066百万円 | 14.6% |
| 営業利益率 | 30.7% | 34.2% | +3.5% |
| EPS | 179円 | 406円 | 126%増 |
前中計(2023-25年)では売上目標に21億円届かなかったものの、営業利益率30%超という圧倒的な高収益体質を維持したまま、次なる成長フェーズへ突入します 。
ポジティブ面・ネガティブ面
ポジティブ面
- 株主還元の劇的強化: 配当性向を従来の33.5%から40%以上へと引き上げました 。利益成長に伴い、配当額の大幅な積み上がりが期待できます。
- 「キーパーLABO」のFC解禁: 成長のボトルネックだった「出店スピード」を解決するため、直営250店+FC250店の合計500店舗体制を掲げました 。これは大きな戦略転換です。
- 新市場(車以外)の具体化: スマホなどのタッチパネル、ハウスクリーニング市場で24億円規模の売上を計画しており、自動車産業の構造変化(EV化等)に対するリスクヘッジを明確にしています 。
ネガティブ面
- 前中計の未達: 特にLABO運営事業において、店舗数や来店台数が計画を下回った過去があります 。今回の「500店舗」という高いハードルを、FC頼みでどこまで品質を落とさず達成できるかが焦点です。
- アフターマーケットの縮小: ガソリンスタンド(SS)の減少により、既存のアフターマーケット事業は20%の減収を織り込んでいます 。これを「新車向け」や「FC」でカバーできるかが鍵となります 。
以後注視すべき会社の動向、KPIなど
今後の投資判断において、特に注目すべき指標は以下の3点です。
- キーパーLABOのFC展開スピード: 2031年までに250店舗のFC網を築けるか、その加盟店募集の進捗が最重要KPIとなります 。
- 新車ディーラーの純正採用数: 2031年に124億円(2025年比で約4倍)の売上を目指す新車マーケットにおいて、メーカー純正採用の拡大が計画達成の生命線です 。
- タッチパネル・ハウスクリーニングの成長: 「車以外のKeePer」がどれだけ一般消費者に浸透するか、ECサイト等のマルチチャネル販売の推移に注目です 。
まとめ
今回のKeePer技研の新中期経営計画は、「KeePerブランドの拡張」という言葉に集約されます 。
前中計の店舗開発の遅れという課題に対し、「FC解禁」という大胆な処方箋を出し、さらに高収益な新車マーケットへ軸足を移す戦略は非常に合理的です 。配当性向40%超への引き上げという「アメ」も用意されており、成長と還元の両取りを狙う個人投資家にとっては、非常に魅力的なシナリオが描かれたと言えるでしょう 。
.png)

コメント