グリムス【3150】26年3月期 3Q決算:利益進捗率81%の「超・保守的計画」を読み解く

銘柄分析

グリムス26年3月期 3Q決算短信が発表されました。
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【決算要約】

2026年3月期 3Q累計業績は、売上高26,111百万円(前年同期比+5.0%)、営業利益5,730百万円(同+13.6%)となり、第3四半期として過去最高の売上・利益を更新しました。主力のエネルギーソリューション(ES)事業において、事業用太陽光発電システムの販売が24.1%増と大きく伸長し、利益成長を牽引しています。


【投資家向け分析】

1.年間業績予想に対する進捗具合

利益面において、極めて高い進捗率を示しています。

  • 売上高: 72.9%(26,111 / 35,816百万円)
  • 営業利益: 80.1%(5,730 / 7,150百万円)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益: 81.1%(3,947 / 4,865百万円)

例年、4Qに費用が発生する傾向や電力市場の変動リスクを考慮した保守的な計画ですが、3Q時点で利益進捗が80%を超えている点は、ポジティブ・サプライズと言えます。

2.業績予想の変更や予想に対する乖離:原因とインパクト

  • 修正の有無: 現時点での修正は「無」です。
  • 乖離の原因: 利益が予想を上回って推移している主な要因は、旧ECSとSHPを統合した「ES事業」の収益性向上です。特に事業用太陽光発電の販売拡大(前年比+1,616百万円)が大きく寄与しています。
  • インパクト(分析): 「通年での上方乖離」の可能性があります。会社側が修正を見送った理由は、4Qにおける小売電気事業の調達コスト(JEPX価格)の不確実性や、人的資本への積極投資(採用・教育費)を織り込んでいるためと推測されます。投資家としては「保守的なマネジメント」と評価すべきであり、下方修正のリスクは低いと考えられます。

3.その他特に注視したいニュース

  • 建設仮勘定の急増(+1,556百万円): 貸借対照表(B/S)において、建設仮勘定が前期末比で大幅に増加しています。これは、現在同社が注力している「系統用蓄電池事業」に関連する資産形成が進んでいることを示唆しています。フロー(販売)からストック(資産運用)へのビジネスモデル転換が着実に実行されている定量的な証拠です。
  • セグメント統合による「人的資本効率」の追求: ECSとSHPを「エネルギーソリューション事業」に統合したことで、リソースの機動的な配置が可能となりました。これがES事業の営業利益率向上(33.2%→34.9%)に繋がっています。

4.今後注視すべきKPI(重要業績評価指標)

  1. 事業用太陽光発電システムの成約件数・単価: ES事業の成長エンジンであり、電力価格高騰を背景とした需要が継続しているかを確認。
  2. 蓄電池のクロスセル率: 太陽光設置済み顧客(累計4,500件)への蓄電池販売は、獲得コストが低く、LTV(顧客生涯価値)を高める鍵となります。
  3. 小売電気事業における「独自燃調」の機能度: 市場価格(JEPX)が下落局面でも、独立した燃調制度により利益を確保できているか(今期は下落局面でも利益維持に成功しています)。
  4. 系統用蓄電池の稼働開始時期: 建設仮勘定がいつ「固定資産(稼働資産)」に振り替わり、収益を生み始めるか。

【アナリストの視点】

利益進捗率80%超えという数字は、現在の株価(PER 11-12倍程度)に対して、市場が依然として「電力市場のリスク」を過大評価し、「ES事業の成長性と新事業(蓄電池)の資産価値」を過小評価している可能性を示しています。財務基盤(自己資本比率66.1%)も一段と強化されており、死角の少ない決算内容と判断します。

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