【要約】
- 未曾有の時価総額消失: 金が最高値から約25%(4,500ドル台へ)、銀が約40%(70ドル台へ)急落。金・銀市場からわずか数日で12兆ドル(約1,800兆円)が消失する異次元の事態となりました。
- 暴落のトリガー: ウォーシュFRB議長指名による「ドル信認の回復期待」に加え、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)による証拠金(マージン)の引き上げが、レバレッジ投資家の強制投げ売りを誘発しました。
- 巨頭の静かな動き: レイ・ダリオ氏は「健全なデレバレッジ」と評価。ドッケンミラー氏も「放物線を描く相場には調整が必要だ」とし、ポートフォリオの再構築(リバランシング)の機会を伺っています。
【歴史的背景:1980年1月「ボルカー・ショック」の再現】
今回の下げ幅は、金においては46年ぶり(1980年以来)、銀においては史上最大となりました。
1980年1月、当時のボルカー議長が猛烈な引き締めを断行した際も、金価格は短期間で暴落しました。今回の「ウォーシュ指名」は、市場に「第2のボルカー」を強く連想させ、これまで「ドルは死んだ」と信じて貴金属に突っ込んでいた投機資金を一気に逆流させました。歴史は、**「不沈と思われた資産が最も激しく売られる時、通貨体制の延命措置が完了する」**ことを示しています。
【中長期的見通し:メインシナリオとリスク】
- メインシナリオ(「新価格帯」での固め): 急落はしましたが、金が4,500ドル、銀が70ドル付近で強力なサポート(支持線)を見せるかどうかが今週の焦点です。ウォーシュ氏が「強いドル」を維持できれば、調整は長引きますが、米国の累積債務問題は解決しておらず、いずれ再びゴールドへの回帰が始まります。
- リスクシナリオ(連鎖的倒産): 今回の貴金属暴落による損失(12兆ドル)を補填するため、投資家が株式やビットコインまで投げ売りし、全アセットクラスが崩壊する「デフレ・スパイラル」への発展。この場合、キャッシュ(現金)のみが王となる期間が続きます。
【投資家への示唆:資産クラスへの影響】
- 国内金価格: 1グラム3万円を超えていた国内価格も、一気に2万6,000円台(12%下落)へ。円高進行と重なれば、さらなる下落もあり得ますが、長期的には「日本円の信認」も試されており、円建てゴールドの保有意義は変わりません。
- 戦略: 現在は「落ちてくるナイフ」の状態です。ドッケンミラー流に言えば、底を打ったことを確認してから、再度「実物資産」の比率を整えるべき局面です。
ストラテジストの視点:議論を深めるための「問い」
市場では「金・銀バブルは崩壊した」という声が上がっています。しかし、レイ・ダリオ氏が説くように、米国の政府債務は依然として増え続けています。
「今回の暴落は『ゴールドの価値がなくなった』から起きたのでしょうか? それとも、あまりに急激に上がりすぎて『システムが耐えきれなくなった』だけでしょうか?」
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